Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

古川日出男『サウンドトラック』  ★★★

サウンドトラック
サウンドトラック
古川 日出男
 2009年、ヒートアイランド化した東京。神楽坂にはアザーンが流れ、西荻窪ではガイコクジン排斥の嵐が吹き荒れていた。破壊者として、解放者として、あるいは救済者として、生き残る少年/少女たち。これは真実か夢か。『アラビアの夜の種族』の著者が放つ、衝撃の21世紀型青春小説。(Amazon

 これSF? ファンタジー? それとも青春小説だったの?笑
 前半かなり面白かっただけに、私はあの終わり方は残念だなあ。きっちり終わる話を好む傾向にあるからだけど、でもなあ。せっかく邂逅したんだし、奪還するとこまで読みたかったわ。トウタ・ヒツジコ・レニ視点の中では女子高生ヒツジコが一番好きでした。自分がカトリック系女子校に通ってたからだろうけどね。
 街なんかの描写はすごいよかった。具体的な固有名詞を出すとぶっとんだ話でもぐっと現実味が増すよね。神楽坂周辺行きたくなったもん(笑)飯田橋から本片手に歩いてこようかなあ。荻窪も降りたことあるからあの一帯が……って面白かった。ただ東京近辺の人じゃないと分からないよね。勢いのある電波な文章、古川さんの中でもこれはかなり好きな方で(といっても大して読んでないんだが)、ベルカも突っ走り気味だけどこっちの方が好きだなあ……人間主役だからかw ベルカは舞台が広いしな。
 あとこれは完全に私の趣味だけど、おまんこという単語はやっぱり嫌だわー。しかも女性が言っちゃう、「私のおまんこを覚えておいて」とか何とか。そんな台詞を言えるのは北原みのりくらいじゃなかろうか(笑)んーどうなの、それを嫌う姿勢がいけないの? バンバン使って慣れるべき?