グレッグ・イーガン『宇宙消失』 ★★★★☆

宇宙消失 (創元SF文庫)
グレッグ イーガン,Greg Egan,山岸 真

　2034年、地球の夜空から星々が消えた。正体不明の暗黒の球体が太陽系を包みこんだのだ。世界を恐慌が襲った。この球体について様々な仮説が乱れ飛ぶが、決着のつかないまま、33年が過ぎた…。ある日、元警察官ニックは、病院から消えた若い女性の捜索依頼を受ける。だがそれが、人類を震撼させる量子論的真実につながろうとは!ナノテクと量子論が織りなす、戦慄のハードSF。（Amazon）

面白かった！　壮大なホラ話という印象だ！笑　でも核にあるのはアイデンティティ、か……？　揺らぎまくりの。確固たる自分がいるんじゃなくて、収縮した結果としての自分がいるというか何というか。とりあえず分かりやすくて面白かったよ！
何を言ってもネタバレになるかー。うーん。特殊用語をゴシック体にしといてくれるのはSF初心者には大変ありがたい配慮でございます……（笑）
　とはいえ個人的にはハードめなイーガンより、幻想的なプリーストやデス博士の方が分かり難い。科学は説明なしでも受け入れられるけど、ファンタジーに近いものはなかなか飲み込めない。科学それ自体が説明だから？　びっくりするほどするっと読める上に十分エンタメだったので、イーガンの一冊目としては最適なんじゃないでしょうか。次は『順列都市』にチャレンジしてみるよ！

　人間が観測していることによって一つ以外の可能性を全部抹殺しているなんて！　地球にカバーかけたくもなるわなｗ　観測問題は不思議だなー実際観測者が結果に影響しちゃうんだよね？　不思議だ。