Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

若竹七海『プラスマイナスゼロ』  ★★

プラスマイナスゼロ
プラスマイナスゼロ
若竹七海
はじまりは、落ちてきた一匹の蛇だった―。なんか最近、アタシら死体に縁がねーか? 凸凹女子高生トリオが、海辺の町・葉崎を駆け抜ける! ドタバタ×学園×青春ミステリー。(Amazon

 あー新刊(ってほどじゃない)と思っておつまみ気分で借りたんだけど普通だった。キャラクターも狙ってんのは分かるけどあまりに紋切り型すぎるし、何より絶対的に悪意が足りない!笑
 女子高生だよ、『スクランブル』の若竹さんだよ。表紙は爽やかだったけど、『クール・キャンデー』くらいは期待するじゃないか。と巻末を見たらピュアフルアンソロジーなるものに収録されていた様子。そりゃしゃあないか。でもなぜ若竹さんとピュアフルなんだ。私が好きな彼女の魅力はピュアとはほど遠いところにある。
 全体を通した感想としては、牛糞……かねえ(笑)これでもかとばかりに牛糞にまみれるお嬢様。神の試練ってレベルじゃねえぞ。んーでもやっぱ全然物足りないわ。ハートフルなハッピーエンディングなんかより胸糞の悪い読後感がほしいよう。人って怖いね、エゴイスティックだね、というある種の爽快感が。
 ヤングアダルト向けの軽さを演出したんだろうけど、ヤングアダルトでもドロドロしてていいんじゃないか?笑 若竹さんはどたばたパニック系も好きだな。本書みたいな、コージーミステリというのか。でも毒は欠かせない! 笑った後にいやーな気分になりたいの!
 もうホラーしか未読が残ってないので(文章のホラーは読めない)、近いうちに新刊出してくれるといいなあ。