Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

小川一水『フリーランチの時代』  ★★☆

フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)
フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水
「私は人類をたいらげたい」―火星やまと基地の隊員4名が体験した、あまりにもあっけないファーストコンタクトを描く表題作、太陽系開拓時代に孤独な宇宙船を駆るニートの日常「Slowlife in Starship」、いつのまにか不老不死を獲得してしまった人類の戸惑い「千歳の坂も」、そして傑作長篇『時砂の王』に秘められた熾烈な闘いを描くスピンオフまで、心優しき人間たちのさまざまな"幼年期の終り"を描く全5篇収録。(Amazon

 2009年版SFが読みたい! で国内七位だったんだけど、可もなく不可もなくって感じかなー。小川一水は短編なら『老ヴォールの惑星』、長編は『復活の地』が面白すぎて、それらと比べるとどうしても落ちる。八月に出た『煙突の上にハイヒール』が評価高いので、期待しようかな。九月にも長編らしき『天冥の標』が刊行されるそうで。復活の地並みの熱血を希望するよ!
「Slowlife in Starship」は助手のロボットとの関係性をもっとつっこんでほしかった。「Live me ME.」はほぼ脳死状態の女性が自分の意識で操れる擬似身体を手に入れる話で、テーマ的にすごい興味があるんだけど、小説として面白かったかといわれると微妙だ。『時砂の王』のスピンオフが結局一番楽しめたかも。