石持浅海『温かな手』 ★★☆
大学の研究室に勤める畑寛子の同居人・ギンちゃんは名探偵。サラリーマンの北西匠の同居人・ムーちゃんも名探偵。人間離れした二人は、彼らが遭遇した殺人事件や騒動を、鮮やかに解き明かす! 一風変わった名探偵とそのパートナーが活躍する、著者渾身の連作集。(Amazon)
石持さんの不思議系ミステリ。探偵役は吸血鬼のような人間ではない種族です。私もエネルギー吸ってほしいぞ! でもいなくなった後にぶくぶく太るに違いない。
いちいち苦味の残るラストがいいね! といっても強すぎない毒だから万人受けするんじゃなかろうか。個人的にはもっと強くても……ああ、若竹さん再読したくなってきた。
いい感じの本だけどパンチはないってとこかな。
ギンちゃんと「わたし」のラブを期待してたのにいいいいい! まさかの引渡し! 残念だ! ラブ成分が足りない! ちょっとくらい色っぽいことしろよ! くっそー。いや、結婚しても、ギンちゃんが見届けにくるんだよね、そうだよね。
ムーちゃんサイドに興味が湧かなかったのはやはり、私にとって非人間がオスであることが重要なんでしょうね。単純にああいうとらえどころのない微笑み人間(じゃないけど)がツボに入るからかもしれないけど。恩田陸だったら腹に一物抱えていそうな描写をしてくれる……それは更にツボだ……。そういえば小山内さんしかり、童顔の女の子は好みじゃなかった。すらっと細長くて美人で強かなのが好きなんだ私は。どうでもいい感想でございました。