Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

工藤純子『ピンポンはねる』  ★☆

ピンポンはねる (TEENS’ENTERTAINMENT 3)
工藤 純子,勝田 文
 はじめは卓球ドシロウトだった若菜が、友情のために猛特訓!小さな球に魂をこめて、強烈スマッシュをたたきこむ。(Amazon

 読むものがない……! ということで母の借りてたヤングアダルトを。挿絵がジーヴス漫画化した勝田さんだったしね。最近の母は児童文学サークルで上橋菜穂子守り人シリーズ」担当になり、ひたすら読んでいるようです。私はファンタジーだけはどうしても手が出せない。SF作家の書くファンタジーとSFの中間なら読めるんだけど。
 閑話休題。素人主人公がとっつきにくい同級生にスポーツのいろはを学ぶ、という話はえてして代わり映えしないんだよな……仲良くなって上達して壁を乗り越えハッピーエンド。一つの作品として読むにはいいし、子供に読ませたい感じもするけど、この年になって読もうとは思わない。読み応えがない。そう考えるとあさのあつこ『バッテリー』は大した本だな……爽やかさの欠片もないしな……私は元々好きだったけど、流行ったのも頷けるわ。
 素晴らしいYA書は大人になっても、いや大人だからこそぼろぼろ泣けちゃうような本だと思う。スポーツ物なら森絵都『DIVE!!』や、日常なら『アーモンド入りチョコレートのワルツ』収録「子供の情景」が私にとってのそれだ。