Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

堀江敏幸『いつか王子駅で』  ★★

いつか王子駅で
いつか王子駅で
堀江 敏幸
 路面電車の走る町。「珈琲アリマス」と記された小さな居酒屋。隣で呑んでいた正吉さんは、手土産のカステラを置いたまま、いったい何処へ向かったのか? ―荒川線沿線に根をおろした人々とあてどない借家人の「私」。その日日を、テンポイントら名馬の記憶、島村利正らの名品と縒りあわせて描き出す、滋味ゆたかな長篇。(Amazon

 競馬の話が多いと思ったら競馬雑誌に連載されてたんでした。そらそうだ。文学作品の引用が多くて、恥ずかしながらとんと疎い私にとっては引用してきた意味がよく分からなかったり。一冊だけ既読があったくらい。無学ですみません。それを差し引いてもできるだけ一冊で楽しめる本が好きだなあ。
 雰囲気はやっぱいいのよね、雰囲気は。職人を尊ぶ思いなんかも伝わってくるね、『雪沼~』あたりもそうだったけど。