Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

コニー・ウィリス『航路』下  ★★★★★

航路(下)
航路(下)
大森 望
 最高だよ!
 何個★をつけても足りないくらい! こんなブログを読んでいないで今すぐ読んで! お願い! 面白い本を読むと人に読ませたくて仕方がなくなるの! 読んで! 2002年あたりの「SFが読みたい!」一位の作品だから、とても今更なんだけど! そして私と一緒にメイジーの「ジョアンナだよ」ごっこしようよ!笑 どんな顔で言ったんだろう、笑ってたのかしら……。
 訳者があとがきで言うとおり、「小説の総合力(リーダビリティ、キャラクター、プロット、ストーリーテリング)で考えれば、この『航路』を凌駕する作品はそうそうないはず」の、「心揺さぶる感動の名作」で間違いないから! 私はハードカバー信者だから二段組の方で読んだけど、ちゃんと文庫も出てます。
 下巻なんて読み始めたら止まれなくて、風呂に持ち込み体の水分という水分を出しながら残り半分以上を読みきったくらいだから! 上下ともに約400ページ、ってことは一日あれば大抵は読めるのよ! 何たって大森さんが日本語にしてくれたんだもの!笑 原書でチャレンジしなくてよかった、スラングも引用もさっぱり分からず、でもページをめくりたくてたまらないのに遅々として進まない自分の英語力のなさを呪ってただろうから。
 どれもこれも褒めたいけど、やはり一番はこのリーダビリティ。本当に止まらないの。わかってるのに思い出せない、というもどかしさで進んでいく上巻はまだしも、下巻はまさに怒涛の展開で、悶々してやきもきしてじりじりして驚愕して涙して途方に暮れて何で気づかないのと罵倒したくなって最後は手に汗握って応援してまた泣いちゃう。メイジー!

 そうだ、ジョアンナは茶髪でしたね。ヴィエルは黒人か。私の見落としか。