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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ジェローム・K.ジェローム『ボートの三人男』  ★★★★

ボートの三人男 (中公文庫)
ジェローム・K.ジェローム

 気鬱にとりつかれた三人の紳士が犬をお供に、テムズ河をボートで漕ぎだした。歴史を秘めた町や村、白や森をたどりつつ、抱腹絶倒の椿事続出、愉快でこっけい、皮肉で珍妙な河の旅がつづく。イギリス独特の深い味わいをもつ、代表的な傑作ユーモア小説。(裏表紙)


 コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』を今更読もうとしたら、『ドゥームスデイ・ブック』という姉妹編があると知り、では『航路』にしようかと思いきや上下巻で分厚かったので、やっぱ犬の方先に読みますと本の紹介を見返してみたところジェローム『ボートの三人男』へのオマージュだと書いてあって、わかったよそれから読めばいいんだろ! ということでボートの三人男を借りてきたわけだが、大変愉快なユーモア小説でもうけ! でした。
 こっそり講義中に読んだりもしたけど、笑いがこらえられない変な人になってしまったので中断せざるを得なかった。これは笑うだろー。これでもかって畳み掛けるんだもの。一応の主なストーリーは引用通り、三人+一匹のテムズ河珍道中。でも色んなところに過去のエピソードが差し挟まれていて、これは何の話だっけ? と思うこともしばしば(私が集中してないからだ)。蛇行しっぱなしです。
 日本の「エド」、なんて言うからこれ江戸時代の小説!? と思ったら1889年ですって。江戸時代は1867年まで。ジェロームが生まれた59年当時、日本はエドだったわけです。江戸……江戸時代……。
 解説曰く「『ボートの三人男』はユーモア小説として着手されたのではなかった。テムズ河についての歴史的および地理的な展望の書としてもくろまれたのである」。テムズ河はおろかイギリスの地理などさっぱりな読者としては、地図を一枚つけといてほしかったなー。そしたら星五つつけたかも(笑)ユーモア小説としてではなくってのは、人を笑わせるためには書きながら自分が笑うようではいけないというやつですかね。結果的に笑える、と。愉快な気分になりたいときは本書をどうぞ。ウッドハウスのノリが好きなら絶対気に入るね。

 イギリスの高等遊民=バーティ・本書の三人、日本の高等遊民漱石、なイメージがついてしまった。イギリス人楽しそうだな……百年前の日本人でこういう小説書く人いたんだろうか……。