Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

津原泰水『ルピナス探偵団の憂愁』  ★★★★★

ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ)
ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ)
津原 泰水
 ああもう駄目だぼろぼろ泣いた。最初の一ページ目から既に泣いてたけどどの話も泣ける。青春だ。私が通っていたのもミッション系スクールで、聖母像があたりに立っていて、チャペルがあって、たまにシスターが歩いてて、しかし男女共学ではなかったので祀島くんはいなかった(笑)でも雰囲気は分かる。私たちより下の学年からフランス語の授業が打ち切られたり中学が新設されたり制服が変わったりと変化するのも見てきた。なので無闇に入り込んでしまう。このシリーズはもう終わりであろうことがとても悲しい。短いから一気に読んじゃったけど勿体なかったな。
 シリーズ前作に比べ格段に読みやすくなったと思うんだけど。前はこれ誰の台詞? と立ち止まることもあったので……それは私の読解力が悪いのかもしれないけど、そんな私にもわかりやすいんだ!(褒めているのか)
 青春小説+ミステリ。素直に爽やかに感動します。皆の一言一言が胸に沁みる。
 この本をもって遂に津原さんが私の『好きな作家として名前を挙げたい作家』入りを果たしました(笑)津原泰水を辞書登録しました。最初に読んだ『綺譚集』から好きだったけどね。あれはまた趣が違って耽美で。記録をさかのぼると、彼との出会いは2005年、かれこれ三年前、高校生最後の歳だったらしい。
 しかし随所にドッキリが仕込まれている気分ではあったな! 個人的に!笑