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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

川端康成『伊豆の踊子』  ★★★★

伊豆の踊子・禽獣 (角川文庫)
川端 康成
 この美しく光る黒眼がちの大きい眼は踊子のいちばん美しい持ちものだった。二重瞼の線が言いようなく綺麗だった。それから彼女は花のように笑うのだった。花のように笑うと言う言葉が彼女にはほんとうだった。(伊豆の踊子

 親心、ほんとうに親心であった。この豊かな心持こそ、後々までも私にあなたたちを守らせた、また同時に私自身を守らせた、たった一つの美しいものであったのだ。その私たちの心持を感じたかのように、あなたは私に寄り添ってきた、そのあなたを見ると、あなたをしあわせにしてあげたい思いだけが、私をしあわせにするというような、そんなしみじみとした暖かさが静かに湧いて来た。(むすめごころ)

 読んだ直後はいい……! と放心してたんだけど、再読してみるとそこまででもなかった(笑)一つ一つが短いしね。やっぱ初読は特別なんだなあ。「伊豆の踊子」にはしみじみとした確かに抒情を感じましたけど。初読時は特に。『雪国』を途中で放棄した私。今なら内容云々以上に文体に注目しているので読めそうな気がする。
 「伊豆の踊子」は著者初期の代表作。主人公の二十歳になる旧制高校生は孤独な心を抱いて、伊豆へ一人旅に出る。そこで旅芸人の一行に出会い、十四歳の薫という踊り子に惹かれる。踊子の若さと純粋さが主人公の歪んだ心をいつしかあたたかくときほぐしていく過程に、青春の感傷と慕情が融けあった美しい抒情が漂う作品である。(裏表紙)
 青い海黒い海:
 驢馬に乗る妻:彼と、妻・綾子、豊子の姉・豊子の三角関係。
 禽獣:彼はたくさんの動物を飼っている。書斎の鳥は三十羽に達することもある。
 慰霊歌:幽霊の話。
 二十歳:
 むすめごころ:咲子が親友の静子にあてて出した手紙。咲子と血のつながりのある武を、静子とつがわせようとする咲子。
 父母:よくわからなかった。読み直す元気もなかった。私はストーリー性を前面に押し出してもらわないと楽しめないのかな。
 あらすじ書くの放棄します。無理だった。
 表題作と「驢馬に乗る妻」「むすめごころ」が好き。「伊豆の踊子」は時代でいうとどのへんなのかな。明治って……そんな時代だっけ?笑 「むすめごころ」にはどうも百合萌えのようなものを感じてしまうんだが……これは私の読み方が悪いのか……。いちばん気に入った話だったな。ほんのり同性愛が漂っているの大好物。さじ加減が絶妙。
 友人が「川端って恋愛小説のイメージが強いから読んでない」と言ってたけど、事実恋愛ものが多いのかな。でもそんなガツガツした恋愛ではないのかも? このくらいだったら好みの範疇なんだけど。あと母性的ななにか。
 解説にあった、相部屋の清野くんとの思い出日記には色々吹き出しました。思わず友達にメールを送ってしまった。文豪って同性愛と自殺がデフォルトなのか?笑 あと「禽獣」、夏目の「文鳥」と被るんですけど、皆さん鳥を殺しすぎではありませんか? 随筆なのか小説なのかわからんが。
 それよりも、動物の生命や生態をおもちゃにして、一つの理想の鋳型を目標と定め、人工的に、畸形的に育てている方が、悲しい純潔であり、神のような爽やかさがあると思うのだ。良種へ良種へと狂奔する、動物虐待的な愛愛護者たちを、彼のこの天地の、また人間の悲劇的な象徴として、冷笑を浴びせながら許している。(禽獣)