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続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

桐生操『世界禁断愛大全』  ★★☆

世界禁断愛大全―「官能」と「耽美」と「倒錯」の愛
世界禁断愛大全―「官能」と「耽美」と「倒錯」の愛
 禁断の愛……。なんと甘美な響きだろう。禁じられているからこそ、人はなおさら燃える。なおさらそれを手に入れたくなる。自分が危険な岐路に立っていることは重々承知ながら、その愛に自分を、自分の未来を賭けようとする。
(中略)
 誰がなんといおうと、果敢にタブーに挑戦するものは美しいのだ。

 せっかくの題材なのでもっと濃くねっとりとした描写を! と思ってしまった(笑)カニバリズムはあのくらいでお腹一杯だけど。これを足がかりにして自分で調べろってことかしら。
 カポーティ、ワイルド、ジョンベネ、ブロンテ、チャップリンヒトラーコクトーバイロン、サド侯爵……「ホモ・セクシュアル」「近親相姦」「ロリコン」など、世界中から集めた衝撃のエピソード満載の傑作人物伝。(Amazon
 上記の他に「サディズム」「カニバリズム」のそれぞれのエピソードが入っていました。な、なぜ「レズビアン」「マゾヒズム」はないのだ! ホモ(というかゲイ)があってビアンがないなんて酷いよう。サッフォーくらいしか思いつかないけど、全体的に男視点だよなあ。性や力では男性優位になってしまうのは仕方ないのかな。もっと女性を! 欲望の対象としての女性ではなく欲望するものとしての女性をプリーズ!
 ホモ・セクシャルでは錚々たる顔ぶれが並んでますよ。オスカー・ワイルドヴェルレーヌランボーニジンスキージャン・コクトーとラディケ、トルーマン・カポーティ。す、すごい。同性愛は多くの国で禁じられていましたが、ヴィクトリア朝時代のイギリスでは、肛門性交は重罪で、猥雑行為は軽罪だったんですってよ! オーラルなら軽罪ってこと?笑 ワイルドは重罪になってしまったわけだが。ニジンスキーとディアギレフの関係は授業で聞いたことがあるなあ。多分もうすぐまたやる(笑)ホモ・セクシャルを語るにはプラトン『饗宴』が欠かせないだろうのでそのうち読みたい。ちなみに、男色罪で処刑された最後の年は、仏:1783・英:1835だそうで。フランスの方が寛容か。
 マリー・アントワネットの死刑に息子との近親相姦(の疑い)も関与してたなんて……(笑)息子に自慰行為を教えたのはお前だと言われたらそりゃあ抗弁する気も失せるわな。
 白人の女の子って14歳くらいから随分大人びて見えるので、あんまロリコンって感じがしないんだけど。それより日本の方がロリコンっぽい。見た目が。無垢な少女をかわいがるの好きですね。そのうちナオミみたいに育って、男を振り回すといいよ。
 サディズムとカニバリズムは多分に犯罪的でした。大量殺人ではないか。イヴァン雷帝は酒池肉林ですね。教科書は決してそんなことに触れてないよね。偉い人だと思ってた。命を受け継ぐという意味でのカニバリズムには神聖さを感じるけど、それ以外はちょっとパス。おえ。
 タブーに挑戦するのはいいけど、犯罪にはならない範囲で推奨します。フィクションではおおいに結構です。