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続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

池田理代子『47歳の音大生日記』  ★★★★

47歳の音大生日記
47歳の音大生日記
池田 理代子
 ああ、やっぱりさすがに音楽大学の声楽専攻のクラスなんだ、と、いたく感激したら、やはり他の女子学生たちも同じように感じていたらしい。
 このような間隙をどうかいつまでも忘れずに、愛する音楽とともに学生時代という人生の黄金期を過ごせることの幸福をしっかりと噛みしめてほしい、とこういうときだけは同級生ではなく、二回りも年上のおばさんになって念ずるのだ。

 い、いいなあ……! 音楽を多少なりとも嗜んでいる身としては、音大に憧れを持っているわけで、年を取ってからでも行けるのであれば、是非通ってみたいと思うのであった。池田理代子はベルばらしか読んだ事ないなあ。オルフェウスは読むつもりだけど。
「これから、声楽で音大を受験したいと思うのだけど……」。劇画家のキャリアを捨て、音大受験を決心。太るためにひたすら食べまくり、風邪から身を守るのを“至上命令”とし、厳しい受験勉強に耐え見事合格。少女時代の夢を47歳にしてかなえた著者が、4年間の大学生活と新婚生活を生き生きと綴る。(Amazon
 音楽に対する愛と、向き合う喜びが文章からあふれ出ている。ああこの人は本当に楽しいんだなあ嬉しいんだなあと思った。それにあてられて私も頑張ろうかなあと思ってみたりもした(今日実際にピアノに行って先生の努力っぷりを見たら、甘っちょろい考えなぞ吹き飛んでしまいましたが)。
 声楽は自らの身体が楽器。「持ち運ぶのは楽だけど、メンテナンスは大変」。その通りだなあと。ピアノなんて家を長く離れると弾けないもんね。すぐに指がなまって大変です。歌だったらどこでも歌える。でも、身体と心が健康じゃないとものすごく反映されてしまう。うう、怖いなあ、声だけで勝負するなんて(笑)ピアノってのは最悪鍵盤を弾けば音は鳴るんですよね。ただその音が大層問題になるわけだが。
 それにしても池田理代子、風邪引いたり骨折したりトラブルに見舞われすぎ!笑 まだ50歳そこらじゃないか。そんなに身体もろくて大丈夫なのか。それとも、皆年を取るとすぐにそうなるのか。
 音大に通ってる最中に結婚するんだけど、旦那共々旅行好きで、毎年長期休暇取って海外に行くんだよね。羨ましい~! 私も彼女みたいなバイタリティのありインテリな旦那がほしいです。エリートっぽいし(笑)二人とも仕事しなくても食べていけるんじゃなかろうか?
 文章としては仰々しさが目立ちました。作風から推して知るべしなんだけど。
 私もしっかり音楽を勉強したいけど、読む>>(越えられない壁)>>聞く、なので、これからも細々とやっていくんだと思う。