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続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

荻原浩『四度目の氷河期』  ★★★

四度目の氷河期
四度目の氷河期
荻原 浩

 シベリアの氷河が溶けるように、事実が姿を現した、ぼくにはそう思えた。ぼくはすべてを理解した。自分が何者なのかを。
 ぼくはクロマニヨン人の子どもだ。

「いいか南山、ふつうの人間なんて、どこにもいないんだよ。みんな少しずつ違う。確かに地球の上から見下ろせば、お前の存在は何十億分の一でしっかない。俺もそう。ちっぽけなもんだ。世間で言う『地球より重い』なんてたいそうなものじゃない。だけど、考えてみろよ。何十億分の一にしろ、お前はこの世にお前しかいないんだぜ」


 「氷河期」なんて言うから、就職に苦しむ話だと思っていた。タイトルの意味は当然なんだけど結構びっくりするかも。どことなく奥田英朗『サウスバウンド』を連想。本書で暴れるのは主人公の男の子ですが。
 人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした―何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?『明日の記憶』の著者が描く、今ここにいることの奇跡。感動青春大作。17歳の哀しみと温もりが、いま鮮やかに甦る。(Amazon

 

 アイスマン誘拐・廃棄なんて、あのロシア様宅でそんなことやったら、抹殺されやしませんかね……?笑 ロシアはまずいよ。