Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

あさのあつこ『ラスト・イニング』  ★★★

ラスト・イニング
ラスト・イニング
あさの あつこ
 で、出てる! 予約し忘れたー! ということで池袋リブロで発見しそのまま一時間立ち読みしてしまった。だって短かったんだもの。230ページほどで、一ページにおける文字数も少ない。余裕ですね。
 大人気小説「バッテリー」。あの伝説の試合がここに──! 全国劇場公開される人気小説「バッテリー」。その中でも屈指の人気キャラクター・瑞垣の目を通して語られる、巧、豪、門脇らのその後とは──。ファン待望の小説がついに登場!(Amazon
 あさの先生が瑞垣を書き足りないと仰ってました通り、本書は丸々瑞垣のためにあるようなものでした。瑞垣ファンの私としては嬉しい限り。何だろう、おミズの溢れんばかりの魅力は……! この手のキャラクターはどストライクです。直球ど真ん中です。笑い方が皮肉っぽいのとか、もう、勘弁してください(笑)
 時系列としては横手の試合~彼らが高校に進学したあたり。一番知りたかったところですね。あさの先生は相変わらずみなぎるパッションで彼らを描いておられます。文章からにじみ出るこの熱さは何だ……! そろそろ文章のくせや、主だった主張が見えてくるくらいにはあさの先生の本を読んでいますが、いつもいつも女性の好む少年をつくるのが巧くてびっくりします。さすが女性。女性のツボを心得てる。瑞垣のコンプレックス、特に「褒め」に関するあたりは崩れ落ちそうでした。
 でも誰かが同人誌で書いていそうだなあ、とも思われました(笑)