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続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

古処誠二『少年たちの密室』  ★★

少年たちの密室
少年たちの密室
古処 誠二
 生徒の前を歩くか、後ろを歩くか――教師は、そのどちらかに分かれると、宮下は言った。
「前を歩くには『知力』が要るし、後ろを歩くには『腕力』が要る。――知力っていうのは、まあ平たく言えば、生徒に合わせて思考の速度と方向を切り替えられるっていう意味かな。回転が速いと言ってもいいよ。常に生徒の一歩先を進んでる」

 わかりにくい文章だった。入りにくいというか、全体を理解するのが難しい。登場人物もイマイチ掴みきれないし(優のキャラがよくわからん)、事件の経過も、解決も、わかったんだけどわかりにくいんだよね。目に見える部分だけじゃなくて、裏に隠れていた真実がみるみる明らかになっていくのは面白かったのに。どうしてだろ。私の頭が弱いからか。
 東海地震で倒壊したマンションの地下駐車場に閉じ込められた六人の高校生と担任教師。暗闇の中、少年の一人が瓦礫で頭を打たれて死亡する。事故か、それとも殺人か? 殺人なら、全く光のない状況で一撃で殺すことがなぜ可能だったのか? 周到にくみ上げられた本格推理ならではの熱き感動が読者を打つ傑作!(裏表紙)
 自衛隊シリーズに続いて本書を読んだ。やっぱり社会派だねえ。2000年発行だけど、今の時代にぴったりじゃないですか。いじめの問題。生徒と教師の問題。学校の事なかれ主義。最近自殺する子が多くてびっくりする。まだ若いのにさ。改善できるんでしょうかね?