Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

万城目学『鴨川ホルモー』  ★★☆

鴨川ホルモー
鴨川ホルモー
万城目 学
 もはやそこには恥も外聞もなかった。寒さや痛みさえなく、むしろ奇妙な高揚感すら存在した。“冬”の舞は終局へと突き進み、我々はえも言われぬ開放感、充足感に奮えながら、ついにぺらぺらパンツを吉田の空へと旅立たせたのである。

 うーん勿体無い! なかなか面白かっただけに、もっと掘り下げてほしかった! せめて阿部と同期の10人の名前が覚えられるくらいには! 主人公の性癖は面白かったですね。そんなに鼻が好きかね!
 てっきり普通のスポーツ小説なのかと思って読み始めたらびっくり。私は実際にホルモーって競技が存在してるのかとばかり思ってましたよ。ファンタジーっていうのか? すこし・ふしぎか?
 このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!! 第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。(Amazon
 三浦しをん『風が強く吹いている』と比べちゃったんだな。ボイルドエッグだったし(笑)どうしても相似点を見出したくなってしまった。双子いたしね! 表紙の絵もどことなく! そうすると見劣りしちゃって。しかし表紙は誰なんだ? 五人じゃなくて四人って? 阿部と高村、凡ちゃんはわかるんだけどもう一人は……スガ氏?
 ベタな展開ってわかってても強いんだなこの手のラブロマンス。思わず泣きそうになってしまった。女は髪と服と化粧で化けますからね。