Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

リリー・フランキー『東京タワー』  ★☆

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー
 オマケして星2つだな。書道の先生が貸してくれました。
 これは小説なのかもしれませんが私は断固小説カテゴリに入れることを拒否します(笑)エッセイでいいじゃんね。最初からエッセイの形式で書けばもう少しマシになったかもしれないのに。そうすれば時間の流れを気にしなくてもよかったのに。んでもって、たまに出てくる何かを悟ったかのような文章も削ることが出来たのに。下手に小説を書こうとするからこうなったのかな。
 読みやすさ、ユーモア、強烈な感動! 同時代の我らが天才リリー・フランキーが骨身に沁みるように綴る、母と子、父と子、友情。この普遍的な、そして、いま語りづらいことがまっすぐリアルに胸に届く、新たなる「国民的名作」。『en-taxi』連載、著者初の長編小説がついに単行本化。(Amazon
 とにかく文章が下手だったので、「おまえたちみたいなド素人にチェックなんかできない完全に美しい文章を書いてやる」という一文を見た時には、脳内でプレイバックパート2が流れました。ちょーっと待って~プレイバックプレイバック☆ チェックしておかしな文章があっても手を入れなくていいのかね? それとも多すぎて放棄したのかね?
 帯も大概褒めすぎだろうよ。少なくとも美しい文章って褒め言葉は使ってはいけないよ。並行して読んでいたのが三島由紀夫仮面の告白』だったために、余計そう感じた。三島の文章は一つ一つすげえな……って噛み締めながら読んでたけど、こっちではついあらを探してしまいました。ある意味面白いか。読みやすいって書いてあるけど、おかしな文章にひっかかりながらだと全くノれないんですよ。
 初っ端から話のつながりがわからずにおろおろしました。大体は幼少からオカンの死へと繋がっているんだけど、いきなり違うこと言いはじめたりするから。リリーさんのオカンはとても魅力的な人物だと思うので、この本に載っている文章をもう一度練り直して書き直せばいいんじゃないかな。うん。
 オカンが大変な思いして働いてたのはリリーさんが留年したからでもあり、それをまとめて国の所為にするのは間違ってたのでは(笑)
 最後はね、私もちょっとうるっときましたよ。リリーさんとオカンの愛に。だからもっとうまくやればよかったんだよ。でも、家族ものだったら伊坂幸太郎瀬尾まいこがもっとうまいのを書いてくれているよ(笑)
 素朴と稚拙ってのは全く異なるものだと思いました。

 

 本当に死んどるんやろうか!? 火が入った途端に生き返ったっていう人の話を聞いたことがある。もし、そうなってたら、どうやって気付いてあげたらいいのだろうか? 生き返っとるかもしれんやろ! ちょっと、一回火止めて確認してくれ。生き返っとるかもしれんのやけん! 生き返っとるかもしれんのに燃えてしまいよる!!


 この部分が好きだったんだよねーなので星を二つにしたの。方言効果って大きいなあ。これ、標準語でやったらくどそうだ。