Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

小川洋子『ミーナの行進』  ★★☆

ミーナの行進
ミーナの行進
小川 洋子, 寺田 順三
「いいねえ。とてもいい漢字。だってお月様は二つないもの。ないものなのにこうして二つある。ということは、とっても大事な仲間同士ってことよ。同じ大きさで、上と下じゃない。横に並んでる。そこがいいね。平等なの。一人ぼっちじゃないの」

 この手の話なら吉本ばななTSUGUMI』の方が素敵かな。
 父が死に、母と二人で暮らしていた朋子。母が仕事のために東京で一年勉強するというので、芦屋に住む伯母夫婦に預けられることとなった。そこに暮らしていたのは、素敵な伯父さん、お酒が好きな伯母さん、ローザおばあさん、お手伝いの米田さん、カバのポチ子、そして病弱で華奢でとても可愛いミーナ。
 お金持ちの一家に預けられる、ってのは実際とても幸せな経験でしょうねえ(笑)