Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』  ★★★

車輪の下
車輪の下
ヘッセ, 高橋 健二

「きみはどんな勉強でも好きで、すすんでやってるのじゃない。ただ先生やおやじがこわいからだ。一番か二番になったって、なんになるのだい? ぼくは二十番だけれど、それだからといって、きみたち勉強家よりばかじゃない」


 ひたむきで自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、進学校の入学試験に通るが、そこでの生活は少年の心理を踏みにじる規則ずくめなものだった。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説である。(裏表紙)
 正直に告白するとキスシーンのために読みました(笑)「トーマの心臓」みたいな世界だね(逆ですけど)。段々と精神を病んでいくハンスのような子供が、現代はもっともっといるんじゃないかしら。