Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

時雨沢恵一『リリアとトレイズ(4)』  ★★☆

リリアとトレイズ〈4〉イクストーヴァの一番長い日〈下〉
リリアとトレイズ〈4〉イクストーヴァの一番長い日〈下〉
時雨沢 恵一
「ママが前に言っていたのよ。“敵だったとしても、戦死者には敬意を払うべきだ”って」
「…………」
「死んじゃった人は、もう敵じゃないし」

 ヘタレのトレイズー!
 トレイズが借りたという湖畔の別荘で、年明けを迎えることになったリリアとアリソン。気を利かせたアリソンが一人街に出て、リリアとトレイズ二人っきりの大晦日になる。トレイズは、この機会に“自分が王子であること”をリリアに告げるつもりでいた。しかし――。年越しの瞬間、リリアとトレイズの、穏やかな年越しは一変する!二人はイクス王国を襲った犯罪へと巻き込まれてしまったのだ。リリアとトレイズ二人で反撃を開始するが、事態は望む方向には動かなくて……。“イクストーヴァの一番長い日”完結編! 巻末に短編サイドストーリー「メリエルとトレイズ」をスペシャル収録。(カバー折り返し)
 トレイズはやっぱりヘタレでした。いつになったら告白するんだよ! リリアちゃんはいい子でした。ベネディクトとフィーが前作に続いて絶好調活躍中。夫を人質に取られても口を割らないその潔さ。残念なのはアリソンたちの出番が少ないことです……もっとあの二人に出番を!
 時雨沢氏は割と躊躇なく人を殺しますよね。そこらへん世は無情よね。
 メリエル王女と仲よしの“お姉さま”とやらがトレイズを取っちゃいそうだよ、リリア! これでリリアとトレイズの仲もちょっとは進展することであろう……。