Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』  ★★★☆

涼宮ハルヒの憂鬱
涼宮ハルヒの憂鬱
谷川 流, いとう のいぢ

「世の中にこれだけ人がいたら、その中にはちっとも普通じゃなく面白い人生を送っている人もいるんだ、そうに違いないと思ったの。それがあたしじゃないのは何故?」


 うおー! こりゃいいわ! 私はアニメを見逃した馬鹿者だが、最終回だけyoutubeにあって見たんだよねえ……今回小説を読んで、すごく丁寧にアニメ化したのだなあと思った。もう全てのシーンが映像で浮かんでくるの(文化祭のシーンとかはアニメオリジナル?)。アニメの方がかわいいし(笑)これはDVD借りなきゃだ……!
 「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし……と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていた――。第8回スニーカー大賞大賞受賞作。(裏表紙)
 ぶっとんだ涼宮ハルヒ、普通の男子高生・キョンロリ巨乳娘の朝比奈みくる、無表情に読書し続ける長門有希、中途半端な時期に転校してきた古泉一樹。この五人から構成されるSOS団。彼らは(というかハルヒが)不思議を求めているのだが、平凡な日常にそうそうおかしなことなど起こるはずもない。しかしこのままでは終わらない。ラストの展開はまさに大風呂敷。たたみ方はモロ私好み(笑)一時間もあれば読めるので一読あれ。
 ずっとキョンのくだけた一人称で進むので、最初はまだるっこしいと思うかも。まあラノベにはよくあるから慣れてるけど。
 男性にとっては萌え要素に困らないんでしょうねえ。ツンツンデレツンデレのツンが多いやつ)のハルヒ、どじっこのみくる、クールな長門キョン役得! わたしは大抵この子が好き、というのがあるんだが本書では特になかった。三人ともかわいいから。いやあ人気が出るのもわかるって。しかしオタク向けだな。「○○属性」「○○萌えなんだ」とか普通の男子高生が言うか? ハルヒが萌えを追求してるんだもんね。今や「萌え」は共通語だとはいえ……連日のオタク特集を見てはほっといてほしいと思うわ。ではなく。
 この本はある意味究極のセカイ系ですよね。君と僕=セカイっていうか、もう、ネタバレになるから言えないけど。実は次の巻も借りたので明日にでも読も。
 Amazonレビューにもあるけど、みくるちゃんは本当はワンピにカーデ姿だったのよね、あの挿絵。

 

「俺、実はポニーテール萌えなんだ」
「なに?」
「いつだったかのお前のポニーテールはそりゃもう反則なまでに似合ってたぞ」
「バカじゃないの?」


 白雪姫にスリーピングビューティ。王子様のキスで目覚めるお姫様……そん時の台詞がこれですかい! いやあ素敵過ぎるわキョン。「実はポニーテール萌えなんだ」、なんて。流行語にしたい。しかもハルヒ、ポニーテールにしてるし! ようやくデレが発生しましたよ。