乙一『銃とチョコレート』 ★★★★
ときには「うっせぇ、この水虫小僧!」や「この外反母趾め!」などとののしられた。
「ははははは! つよいものにしたがうのがわたしの生きかたなのだ!」
最高に乙一が好きだと自覚したんだが、どうだろう。
平仮名が多くてすごく読みにくさを感じました。もうちょっと使ってもいいと思うよ?
少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。現場に残されているカードに書かれていた【GODIVA】の文字は泥棒の名前として国民に定着した。その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。ある日リンツは、父の形見の聖書の中から古びた手書きの地図を見つける。その後、新聞記者見習いマルコリーニから、「【GODIVA】カードの裏には風車小屋の絵がえがかれている。」という極秘情報を教えてもらったリンツは、自分が持っている地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎるものだと確信する。地図の裏にも風車小屋が描かれていたのだ。リンツは「怪盗の情報に懸賞金!」を出すという探偵ロイズに知らせるべく手紙を出したが……。 (Amazon)
麻耶とは違う意味でえげつなさを感じました。子どもに容赦することなく、世の中の汚さを教えている。しかし、読後は爽やか。うまいねー。
そもそもなぜたすけなければいけない?
あのひどい男に、どうして手をのばさなければいけない?
(中略)
たしかにあいつはいやなやつだ。
でも、死んでいいってほどじゃない。
あいつが水のなかに沈んだとき、そうおもった。