Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

重松清『トワイライト』  ★★

トワイライト
トワイライト
重松 清
「俺たちみんな、のび太になったんだ。ジャイアンスネ夫もデキスギくんも、シズカちゃんも、結局のび太なんだよな。なにやらせてもだめな、のび太だよ。のび太になっちゃうんだ、みんな、おとなになると」

 夢がないんですけどー……。これ、子供に読ませたらやる気なくすと思うよ(笑)重松さんの本はどれもこれも重いけど、これは現実的で重さ倍増。読み終えて暫くぼーっとしてた。気力が起きなくて。
 母校の廃校が決まり、タイムカプセルを掘り起こそうと26年ぶりに集まった六年三組の面々。クラスのガキ大将ジャイアンこと安西徹夫、眼鏡をかけていたのでのび太とあだ名をつけられた高橋克也、明るく活発だった真理子(安西と結婚)、予備校講師でいまだ独身の竹内淳子の四人を中心に展開する物語。
 登場人物が皆はっきりキャラ立ちしているせいで余計、ひしひしと胸に重みが迫ってくる。WEB本の雑誌で二月文庫本としてとりあげられている。引用させて頂くが「四十を目前にしても互いに「のび太」「ジャイアン」なんて呼び合うような登場人物たちが繰り広げるドラマは、みじめで、切なく、そして救いがたく格好悪い」という書評は本当にその通りだ。