Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏(1)』  ★★☆

イリヤの空、UFOの夏〈その1〉
イリヤの空、UFOの夏〈その1〉
秋山 瑞人
 (中略)大体、この廊下の光景を見ておかしいと思わないのか、何かが間違っていると思ったことは一度もなかったのか。これまでずっと、防空訓練があるたびに、この廊下の光景をその身の丈の高さから見下ろしてきたくせに、いまさらあんたにカメになれなんて指図されたくない。

 まさに、ボーイ・ミーツ・ガール!! 男の子が・女の子に・出会った! って小説です。ずーっと気になってた。有名だよね、この本。秋山瑞人の本は猫の地球儀シリーズだけ読みました。焔が好きでした(わかりやすい)。中身はあんま覚えていません。
 第三種接近遭遇:「6月24日は全世界的にUFOの日」新聞部部長・水前寺の発言から浅羽直之の「UFOの夏」は始まった。当然のように夏休みはUFOが出るという裏山での張り込みに消費され、その最後の夜、浅羽はせめてもの想い出に学校のプールに忍び込んだ。驚いたことにプールには先客がいて、手首に金属の球体を埋め込んだその少女は「伊里野可奈」と名乗った……。(カバー折り返し)
 ラブレター:イリヤは兄が航空自衛隊の士官だという。水前寺は浅羽に、何とかして新聞部に入部させるように言う。
 正しい原チャリの盗み方 前編:園原基地に入りたくて仕方がない水前寺の作戦で、イリヤとデートすることになった浅羽。
 番外編・そんなことだから:椎名先生と榎原の話。(適当だなおい)
 このラノベっぽさがたまんねー! リーダーもダッシュも使いたいように自由奔放に使われてますね! ラノベは台詞もいいよね! あのはっちゃけた感がたまりません。「浅羽特派員刺さってるハサミ刺さってる痛いとても痛い浅羽特派員応答せよ応答せよ」とか。飾らず、喋る口調そのままの台詞がいいね!
 表紙の絵、イリヤお尻の線出すぎ。一般のお友達には読んでいるとこを見られたくない感じ(笑)でも、本文中に挿絵が一切なかった(章ごとの表紙にはあったけど)。びっくり。ちょっと、いやかなりがっかり。
 イメージとしては、エヴァ最終兵器彼女を足した感じ。イリヤエヴァほど感情がないわけじゃないだろうしそこまでの重さはないけど、戦争が普通に迫ってきそうで、彼女は兵器っぽいです。これからの展開に期待。