Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

三浦しをん『ロマンス小説の七日間』  ★☆

ロマンス小説の七日間
ロマンス小説の七日間
三浦 しをん
 これで三浦しをんは全制覇! やったねー。胸を張って彼女のファンだと言えよう。例え著作を一つも所有していなくとも……。買うならいつ読んでも元気が出そうなエッセイがいいかな。多分買わないけど。ごめんなさい! いつか直木賞を受賞されることを心から願っております。ってあー! アンソロジーに収録されているのは読んでいないわ。『秘密』からはじめなくては……。
 あかりは海外ロマンス小説の翻訳を生業とする、二十八歳の独身女性。ボーイフレンドの神名と半同棲中だ。中世騎士と女領主の恋物語を依頼され、歯も浮きまくる翻訳に奮闘しているところへ、会社を突然辞めた神名が帰宅する。不可解な彼の言動に困惑するあかりは、思わず自分のささくれ立つ気持ちを小説の主人公たちにぶつけてしまう。原作を離れ、どんどん創作されるストーリー。現実は小説に、小説は現実に、二つの物語は互いに影響を及ぼし、やがてとんでもない展開に!注目の作家、三浦しをんが書き下ろす新感覚恋愛小説。(Amazon
 一番エッセイに近い文体で書かれていた。主人公が胸毛にこだわりをみせるところも! 妄想力のたくましいあかりが勝手に小説を捏造してしまうんだが、三浦しをんもよくやってるよなあ。タイトルしか知らない漫画の内容を想像したりとか(ゆびさきミルクティってやつでやってたよね?)。
 翻訳している中世ロマンス小説と、現代とを交互に描く。冒頭ではびっくりしちゃったよ。この調子で続くのか? と。あかりじゃないけど、あの手の物語にはうんざりですわー。妄想を働かせる気持ちもよくわかる。神名の手料理が食べたい。
 まあ面白いっちゃ面白かったんですが、結末にひねりが足りない。もっとこう、さ! あっさりしすぎている。なので採点厳しめ。新刊を待ってますー!
 あ、図書館で森奈津子を探そうとしてたのに!! 忘れてた! イロモノつながりで思い出したのでした。