Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

川上健一『翼はいつまでも』  ★★★☆

翼はいつまでも
翼はいつまでも
川上 健一
 若さとパワーがあった。四月になれば~と同じく青春を描いているがこちらの主人公は中学生。中学生……眩しい。
 青森県の中学三年生、神山は補欠の野球部員、平凡な生徒だ。ある日米軍放送で聴いたビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」が彼を変えた。聞き覚えてクラスで歌い彼はクラスで認められた。多恵からも声をかけられ初恋の思いを抱く。夏休み、さまざまなトラブルが彼を襲う。でも彼には仲間がいるし、ビートルズがくれた勇気もある。(Amazon
 こういう小説って、なかなか書けないのだろうなあと思う。若さゆえに恥ずかしいことも沢山言ってる。真っ直ぐな想いがある。輝いてる。青春小説の傑作。
 もっと評価が高くてもいいのかもしれないが、どうしても、彼の言葉遣いが……! 本書で目についたのは「~ッ」かな。バトロワを思い出したけどこれは田口の漫画の方か? 「~てしまう」もやっぱり多いね。