Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

島本理生『リトル・バイ・リトル』  ★

リトル・バイ・リトル
リトル・バイ・リトル
島本 理生
「怖いとき、どうするんですか」
「死んだみたいに目をつむってじっと我慢している。そうすれば、いつかは通りすぎるから」
「なんで怖いって言わないんですか?」

『ナタラージュ』の評判が良いので読んでみたかったのだが、生憎借りられていたので芥川賞候補にもなったこちらを。彼女、17歳でデビューしたのよね。
 私こと橘ふみは、母と、半分血の繋がっている妹・ユウちゃんと三人暮らし。母の働く整骨院に通う片倉周と知り合い……少しずつ、少しずつ、歩いていこう。楽しいことも悲しいことも、みんな大切な家族の時間とひらかれてゆく青春の息吹。高校生作家の芥川賞候補作。(途中からAmazon
 うーん、芥川賞ってよくわからないんだけど、私には合わないみたい。辻仁成とかだっけ? 後書きでは「明るい小説にしよう」とあったが、暗くはないものの明るくもない気がする。淡々と流れる日常とプラスα。家族と恋人が出てくる本だったら瀬尾まいこの方が断然読む価値があると思うし。
 どうしても気になって仕方なかったのは、台詞に入る前の読点がないところ。ぷちん、と切れている印象を受けた。これも一つの効果……?
 ミステリの合間に軽いものを投入できてよかったと言えばよかった。そろそろ図書館にも行きたいなあ。