はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ』 ★★★
都会のトム&ソーヤ〈1〉
はやみね かおる
「きみよいっしょなら、なんとかなるような気がするんだ」
……まったく。
ここまで無条件に信用されると、期待にこたえるしかないじゃないか。
「わかったよ。三十分で謎を解いてくれるんだね、名探偵ホームズ」
「脱出方法はまかせたからね、ワトソン君」
パスワードシリーズの著者だと勘違いしてた! 全くの別人だった。はやみねかおるはヤングアダルト向けのミステリを書いている方ですよね(ジュヴナイル・ミステリって言うのかな、そこらへんわかんない)? 最近食指が動かなくなったヤングアダルトに、表紙の男の子のかっこよさに惹かれてチャレンジ。
ぼく・内藤内人(ないと)は、塾通いに疲れる中学生。ある日、クラスメイトの竜王創也(そうや)が路地に消えるところを目撃したことをきっかけに、二人の冒険が始まる。
いまいち冴えない主人公内人に対し、創也は竜王グループの一人息子にして眉目秀麗な上に頭脳明晰。かなりのちぐはぐコンビのように見えるけれど、実は内人にはおばあちゃん仕込みのサバイバル術があった。頭脳労働は創也、実戦は内人とバランスがとれている。でもやっぱり創也はかっこいいのであった(笑)おバカさんなところもポイントです。
この“くされ縁”二人の冒険はまだ続くみたい。たまには軽いものいいね!
……YA!シリーズは男の子同士の仲がよすぎやしませんか……(あさのあつこ『NO.6』も眺めつつ)。