Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

小野不由美『東亰異聞』  ★★★☆

東亰異聞
東亰異聞
小野 不由美

「ぼくは新時代に夢を見すぎていた。だから、諦めざるをえなかったんだ」
「時代は変わっていくのですよ」そう万造は言った。「変わっていく性質のものだからです。その行く先がどこであれ」
「その、通りだ」
「それでも水が高いほうへは流れないように、決して逆戻りはしないものです。より良くなるにしろ、悪くなるにしろ、時代は転変していくもの」


 あー……一応今日読了したんだけれど、まだ感想を書けそうにない。この人の本だめだー、のまれちゃって。
 舞台は明治時代の東亰で、東京と似通ってはいるがパラレルワールド。異世界です。近頃闇を跋扈する者たちがいるらしい。闇御前や火炎魔人、読み売りに魂売り、般若面の蕎麦屋……。それらが起こした事件の被害者には一貫性がないかと思いきや、鷹司家家督争いに関わっているようだと探偵役の新聞記者・新太郎は推理し、謎を解き明かす為に奔走する。上記は適当に書いたから嘘かも。あとできちんと本読みながら直します。
 和の香りが漂う情緒溢れる雰囲気、イメージカラーは漆黒。普段使わないような言葉が多々あり、主要人物の出てこない序盤は結構うんざりしてしまうんだけど、どこからか転がり落ちるように読める。推理部分かな。あの万造の台詞からか。
 一旦綺麗に解決されたと思いきや、また風呂敷広がっちゃったよ! てな本でした。流石……でも『屍鬼』の方が練りこまれていて好きよ。あの分厚さは怯むけど、是非挑戦して頂きたい一冊ですね。
 そうそう、小野不由美って綾辻行人の奥さんなんだってね! 全く知りませんでした。どこまで疎いの。お二人のお子さんはさぞかし……に育つのでしょうね。しかも綾辻先生は奥さんのネタを流用したとか。おいおい。
 上記の文章を書いてから十日間も経ってしまいましたことよ。返却の催促メールが来てしまった。のであとはネタバレで自分の覚書をば。

 後日友達に漫画を借りて読みました。直さん、かっこいい! 万造かわいい! 綺麗な絵で満足。直さんに満足(そこか)。私は人形がもっと小さい日本人形みたいなやつを想像してたので、びっくりしましたけど。そっか、あんなにでかいのか……。

 

 万造が黒衣だったのん! もういやー。最近こんな目にばっかあってる(読書において)。毬乃が人形ね、ほほう。じゃあ一番情けないのは新太郎じゃないですか。探偵役のような位置にいながら推理は的外れ。
 後半のあらすじ。この事件は確かに家督争いに関わっていた。しかし、お互いが相手に譲ろうとしていたのだ。火炎魔人は直、闇御前は常。直と常がお互いを襲った時に限って手際が悪かったのは、自分が捕まればいいと思っていたから。そうすれば円満に終わると信じていたから。直に汚名をきせまいと、塔の上のことは常が佐吉に口裏を合わさせていたのでした。招待を表した万造は常を人形にして、女人形へ戻った毬乃と一緒に抱いて持っていきました。
 ごめんかなり適当に書いた。私は今麻耶雄嵩にやられていて色々大変なのです。小野不由美は開国反対だったのかしらん……(安易過ぎる考え方)。