Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

あさのあつこ『The MANZAI 2』  ★★★

The MANZAI 2
あさの あつこ

「忘れんといてくれな」
「え?」
「おれ、いつでも傍におるからな。おまえのことだけは、絶対、裏切らへんからな。そこんとこ、忘れんといてくれな」

 秋本、おれは本当におまえを支えているか。一方的に励まされたり、慰められたりするだけではなく、対等に向かい合っているか。

 ……。お熱いようで!
 中二の文化祭でロミジュリ漫才をした、歩と秋本と仲間達(おい)の後日談。三年になって、クラスが分かれた二人。秋本は夏祭りでまた漫才をしようと提案するが、歩はなかなか乗らない。真っ直ぐな言葉のぶつけ合い(というか秋本の一方的な告白と何だかんだ言いつつそれを受け入れる歩の胸中)にこっちが赤くなってしまう、シリーズ第二作。
 物語的にはクラスでちょっとしたいざこざがあったりしつつも、のんびりと仲良しな学校生活が送られていく様子を描いている。……ううん、自分の中学時代の男友達を思い出してみても秋本みたいな奴はいなかったなあ。こんな男がいたら面白いかもしれないけど、実際かっこつけたがってさらっと振舞うものじゃないの? 女の子の方が親友だよね、みたいな確認は好きな気がする……男じゃないからわからんが。
 この話を男性が読んで楽しめるのかどうかやや疑問に思う。オタク気味な女性としては、とても面白かったんですけど……ボーイズラブ文庫でも行けるんじゃないかってくらい(そっちは読んだ事ないが)……。