Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

角田光代他『Teen Age』 ★★

Teen age
Teen age
角田 光代、瀬尾まいこ藤野千夜川上弘美

 神さま。わたしは一度も信じたことのない人の名前を心のなかでくりかえした。神さま、お願いします。タクシーを一台、それだけでいい、タクシーを一台わたしたちの前にあらわしてください。そうしたらわたしはこの先絶対嘘もつかないし、悪口も言わない。規則も守るし、聖書だって毎日読む。(神さまのタクシー)

「海の世界だよ」
「は?」
「教訓は海の世界があるってことよ。いろんなところに大小さまざまな世界が存在するってこと」
 矢守君は、きょとんとしてから「へえ」と言った。(イモリのしっぽ)

 おもいっきしヤングアダルト。何たって題名がティーンエイジ、ですから。何人か好きな作家が出ているので借りてみた。でも期待していたほど面白くはなかった。ヤングアダルトには無駄に期待しすぎちゃうのかも、私。残念。それに、アンソロジーって気に入る話とそうでないものがあるから、評価としては普通になってしまう。
 神さまのタクシー(角田光代):寮でカナと同室になったハミちゃんは、規則厳守の優等生で嫌われ者。そんなハミちゃんは、何故か自由奔放で格好いい泉田さんに恩があるらしい。
 狐フェスティバル(瀬尾まいこ):僕の住む田舎には、狐がえりという行事がある。踊る人数が足りないので東京から引っ越してきた三崎花子を誘おうとするのだが……。
 春休みの乱(藤野千夜):はるかのもとに届いた一通のハガキ、送り主は全然知らない男の子だった。そのとき泊まりにきていたおかしな力の持ち主・小清水さんは妙に興味を示す。
 イモリのしっぽ(椰月美智子):元生物部部長のあたし、現部長の矢守君。二人とも同じ両性爬虫班だった。
 ハバナとピアノ、光の尾(野中ともそ):舞台はキューバ。現地人のエリアンは葉巻の闇売人。ある日、タエコという日本人女性と出会う。彼女はあるピアニストを探しているという。
 Inside(島本理生):家族旅行から帰ってきたら、母親が入院してしまった。私は何を考えているか分からない父と暫しの間二人だけ。彼氏の大鳥くんとの関係も微妙なところ。
 一実ちゃんのこと(川上弘美):予備校で知り合った一実ちゃんは、クローン人間らしい。そして彼女は青春の蹉跌真っ只中、ってやつ。
 やっぱり角田光代瀬尾まいこ川上弘美のはよかったかな。藤野千夜は『ルート225』の時も思ったけど、余り解決しないで終わる。話があって、それだけ、って感じ。教訓とかはなしに。初めて読んだ椰月美智子のはもしかしたら一番好きかも。野中ともそは外国人が主人公だった時点でギブアップでした。ここのところずっと海外物読めない病なので。17かそこらでデビューした島本理生は、可もなく不可もなくだった。寧ろ全体的にそんな雰囲気。いい加減ヤングアダルトから卒業しろってこと……!? もう青春は戻ってこないのか、私には。
 地元の「本を読む会」会員の母が、次のお題にとヤングアダルト作家を探しているんですけど、私にはあさのあつこ森絵都くらいしか思い浮かばない。先日読んだ石井睦美もそうかな。あと梨屋アリエとか。他は電撃文庫あたりになっちゃう。「瀬尾まいこは?」って聞かれたけど、違う気がする。やっぱり無難にあさのあつこがいいんじゃないかな。バッテリー終わったばっかりですし。
 ……今ヤングアダルト作家で検索したら、かなりの数がヒットした。小野不由美もそうなんだ? 十二国記は最早ヤングアダルトではない気がするが。ゴーストハンターシリーズの方はそうだね。乙一もか!? あーてか私全然知らないや。『No.6』が出てる「YA!」とかいう会社(シリーズ?)のでいいじゃんね。はやみねかおるとか?
 感想からかなりズレてしまったけれど、ここで終わり。まあいいよねこれ読書感想じゃなくて読書日記ですし……。