Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

海外現代小説

アントニオ・タブッキ『インド夜想曲』  ★★★☆

初めてのタブッキ。漫然と読んでしまったのできちんと噛み砕けていないが、興味深かった。メタ視点での読みを要求されるので、うたた寝しながら読んではいけません。 インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑) 作者: アントニオタブッキ,Antonio Tabucch…

サンティアーゴ・パハーレス『螺旋』  ★★★★

すごく面白くて読みやすかった。デビュー作に全てが詰まってる、のお手本みたいな話だ。木村榮一氏の翻訳は愛してるんだけど、現代小説を翻訳する際は女性の台詞の言葉遣いを一新してくれたら嬉しい。 螺旋 作者: サンティアーゴパハーレス,木村榮一 出版社/…

マリオ・バルガス=リョサ『チボの狂宴』  ★★★★☆

バルガス=リョサを無事に読了できたのはこれが二冊目! つまりすごく読みやすくリーダビリティがあり現実寄りのストーリーである、何てったって史実だからな。おすすめです。ただし性犯罪を女性視点で描く胸糞なパートがあるのでフラッシュバック等に注意し…

ミシェル・ウェルベック『服従』  ★★★

最後まで男根主義だったので逆にあっぱれと思ってしまった。いや描きたいことは分からずでもないのだが表面的にそこでオチをつけるんだ?! と。この時代のヨーロッパおよびヨーロッパ人を映し出しているのかもしらんが、服従したのはペニスにじゃないか……。…

マリオ・バルガス=リョサ『都会と犬ども』  ★★★★★

都会と犬ども 作者: マリオバルガス=リョサ,Mario Vargas Llosa,杉山晃 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/12 メディア: ハードカバー クリック: 3回 この商品を含むブログ (14件) を見る 二度目です。初読時のレビューは下記。 マリオ・バルガス=リョ…

オラシオ・カステジャーノス・モヤ『崩壊』  ★★★☆

崩壊 作者: オラシオ・カステジャーノスモヤ,Horacio Castellanos Moya,寺尾隆吉 出版社/メーカー: 現代企画室 発売日: 2009/12 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 20回 この商品を含むブログ (3件) を見る 軍事政権、ゲリラ、クーデター、内戦、隣国同…

イサベル・アジェンデ『精霊たちの家』  ★★★★☆

精霊たちの家 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-7) 作者: イサベル・アジェンデ,木村榮一 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2009/03/11 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 44回 この商品を含むブログ (30件) を見る 不思議な予知能力をもつ美少…

フランソワ・サガン『悲しみよ こんにちは』  ★★☆

悲しみよこんにちは (新潮文庫) 作者: フランソワーズサガン,Francoise Sagan,朝吹登水子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1955/06/25 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 93回 この商品を含むブログ (113件) を見る 若く美貌の父親の再婚を父の愛人と自分…

ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』  ★★★

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫) 存在の耐えられない軽さ (集...の他のレビューをみる» ミラン クンデラ 集英社 ¥ 886 (1998-11) 本書はチェコ出身の現代ヨーロッパ最大の作家ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表、たちまち全世界を興奮の渦に巻き…

リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』

ほとんど記憶のない女 (白水Uブックス) ほとんど記憶のない女 (白水U...の他のレビューをみる» リディア デイヴィス 白水社 ¥ 1,296 (2011-01-22) 「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」 わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から…

ベルンハルト・シュリンク『朗読者』  ★★★★

朗読者 (新潮文庫) 朗読者 (新潮文庫)の他のレビューをみる» ベルンハルト シュリンク 新潮社 ¥ 594 (2003-05-28) 15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」―ハンナは、なぜかいつも本を朗読して…

ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』  ★★★★★

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス) いちばんここに似合う人 (新...の他のレビューをみる» ミランダ・ジュライ 新潮社 ¥ 2,052 (2010-08-31) 水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教えようとする娘(「水泳チーム」)。英国のウ…

ロベルト・ボラーニョ『売女の人殺し』  ★★★★☆

売女の人殺し (ボラーニョ・コレクション) 売女の人殺し (ボラーニョ・...の他のレビューをみる» ロベルト ボラーニョ 白水社 ¥ 2,592 (2013-10-02) インドから帰還した同性愛者のカメラマンの秘められた記憶、Bと父がアカプルコで過ごした奇妙な夏休み、元…

J. D. サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』  ★★☆

ナイン・ストーリーズ (ヴィレッジブックス) 作者: J.D.サリンジャー,柴田元幸 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス 発売日: 2012/07/20 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (5件) を見る バナナがどっさり入っているバナナ穴に行儀よく泳…

J. D. サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』  ★★★

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション) 作者: J.D.サリンジャー,J.D. Salinger,村上春樹 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2006/04 メディア: 新書 購入: 11人 クリック: 73回 この商品を含むブログ (182件) を見る 不朽の青春文学「…

ユーディット・ヘルマン『幽霊コレクター』  ★★★☆

幽霊コレクター 幽霊コレクターの他のレビューをみる» ユーディット ヘルマン 河出書房新社 ¥ 1,890 (2008-12-17) 「人生」という旅を、少しずつ受け入れるようになったあなたへ。親友が恋した男との、密会。老いた両親と旅して変化する、娘の感情。恋人以…

アゴタ・クリストフ『第三の嘘』  ★★★★☆

第三の嘘 (ハヤカワepi文庫) 第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)の他のレビューをみる» アゴタ・クリストフ 早川書房 ¥ 693 (2006-06) ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた…

アゴタ・クリストフ『ふたりの証拠』  ★★★★☆

ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫) ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)の他のレビューをみる» アゴタ クリストフ 早川書房 ¥ 693 (2001-11) 戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故…

アゴタ・クリストフ『悪童日記』  ★★★★★

悪童日記 (ハヤカワepi文庫) 悪童日記 (ハヤカワepi文庫)の他のレビューをみる» アゴタ クリストフ 早川書房 ¥ 693 (2001-05) 戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始ま…

ポール・オースター『ガラスの街』  ★★★

ガラスの街 ガラスの街の他のレビューをみる» ポール・オースター 新潮社 ¥ 1,785 (2009-10-31) ニューヨーク、深夜。孤独な作家のもとにかかってきた一本の間違い電話がすべての発端だった。作家クィンは探偵と誤解され、仕事を依頼された。クィンは、ほん…

ポール・オースター『幽霊たち』  ★★★★

幽霊たち (新潮文庫) 幽霊たち (新潮文庫)の他のレビューをみる» ポール・オースター 新潮社 ¥ 420 (1995-03) 私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、…

レベッカ・ブラウン『若かった日々』  ★★★

若かった日々 (新潮文庫) 若かった日々 (新潮文庫)の他のレビューをみる» 評価: レベッカ ブラウン 新潮社 ¥ 500 (2009-12-24) あまりに違う二人が傷つけ合うのは必然だった―。家族と希薄な関係しか築けなかった父。夫との愛に挫折した母。物心ついたとき…

オースター『ティンブクトゥ』  ★★

ティンブクトゥ 柴田 元幸 本書は、ポール・オースターが、「犬の視点」を通してアメリカのホームレスを描いた作品。一見奇妙な設定だが、ジョン・バージャーの『King』同様、感情に流されない厳しい犬の目を通してホームレス生活を描くことで、メロドラマ的…

オースター『鍵のかかった部屋』  ★★★★☆

鍵のかかった部屋 (白水Uブックス―海外小説の誘惑) ポール・オースター,Paul Auster,柴田 元幸 幼なじみのファンショーが、美しい妻と小説の原稿を残して失踪した。不思議な雰囲気をたたえたこの小説の出版に協力するうちに、「僕」は残された妻ソフィーを愛…

パウロ・コエーリョ『ベロニカは死ぬことにした』  ★★☆

ベロニカは死ぬことにした (角川文庫) Paulo Coelho,江口 研一 ベロニカは全てを手にしていた。若さと美しさ、素敵なボーイフレンドたち、堅実な仕事、そして愛情溢れる家族。でも彼女は幸せではなかった。何かが欠けていた。ある朝、ベロニカは死ぬことに決…

ロベルト・ボラーニョ『通話』  ★★★★☆

通話 (EXLIBRIS) ロベルト ボラーニョ,Roberto Bolano,松本 健二 『通話』―スペインに亡命中のアルゼンチン人作家と“僕”の奇妙な友情を描く『センシニ』、第二次世界大戦を生き延びた売れないフランス人作家の物語『アンリ・シモン・ルプランス』ほか3編。『…

ガルシア・マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』  ★★★★★

わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004)) ガブリエル・ガルシア=マルケス,木村 榮一 度目。全身にキスするところは本当にエロくて大好きなんだけど、これは改正案が通ったら規制されてしまうのかしら?笑 希望と愛に満ち満ちたラスト…

G.ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』  ★★★★☆

わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004)) ガブリエル・ガルシア=マルケス,木村 榮一 これまでの幾年月を表向きは平凡な独り者で通してきたその男、実は往年夜の巷の猛者として鳴らしたもう一つの顔を持っていた。かくて昔なじみの娼家…

ポール・オースター『偶然の音楽』  ★★★★

偶然の音楽 (新潮文庫) ポール オースター,Paul Auster,柴田 元幸 ポール・オースターならこの人と言われる、柴田元幸氏の翻訳はいつもながらの名調子。元消防士の主人公ジム・ナッシュは、妻に逃げられ、疎遠だった父も鬼籍に入った。父の遺産を手に新車を…

レベッカ・ブラウン『体の贈り物』  ★★★★☆

体の贈り物 (新潮文庫) レベッカ ブラウン,Rebecca Brown,柴田 元幸 食べること、歩くこと、泣けること…重い病に侵され、日常生活のささやかながら、大切なことさえ困難になってゆくリック、エド、コニー、カーロスら。私はホームケア・ワーカーとして、彼ら…