Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ライトノベル

有川浩『塩の街』  ★★

塩の街―wish on my precious 有川 浩 「世界のために好きな人を諦めろなんて、誰が言えるって言うのよ。そりゃ、助かりたくないって言ったらウソになるけど。あたしが自分で救うわけじゃないんだし」 ―――あたしたちは、恋だろうか。 先日読んだ『海の底』の…

田口仙年堂『コッペとBB団 その1』  ★☆

コッペとBB団 その1 田口 仙年堂, はしもと しん 「俺達は、こいつを正しく使うために集めてるわけだ」 そう、ブラック・ブリッツの本来の目的はそれだ。 世界中のデイ・ストーンを集め、管理することによって平和な世界が築けるという理念の下に、必要悪と…

有川浩『海の底』  ★★★★☆

海の底 有川 浩 「どこまでその芸風で行かれるか楽しみですな」 茶化すと烏丸が鼻で笑った。 「警部に言われる筋合いはないな。そちらも芸風は同じだろうが、未だに」 「は?」 「バカの指図は受けんと突っ走ってその年だろう。俺もそこまでは行くさ」 死ぬ…

時雨沢恵一『キノの旅 Ⅸ』  ★★★☆

キノの旅〈9〉the Beautiful World 時雨沢 恵一 「自分を守るため、もしくは誰かを守るため、戦わなければならない時に一番重要なことは、常に頭に置いておくべきことは――“不意打ちをする”ことです。相手に準備も心構えもないうちに、もしくは向こうのパース…

秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏(1)』  ★★☆

イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 秋山 瑞人 (中略)大体、この廊下の光景を見ておかしいと思わないのか、何かが間違っていると思ったことは一度もなかったのか。これまでずっと、防空訓練があるたびに、この廊下の光景をその身の丈の高さから見下ろしてきたく…

時雨沢恵一『リリアとトレイズ(2)』  ★★★

リリアとトレイズ〈2〉そして二人は旅行に行った〈下〉 時雨沢 恵一 「――そうだ。全てがうまくいって終わったら」 「終わったら?」 「ご褒美にキスしてあげるわ」 「いっ――?」 1巻読んだの、いつですかー……。うっすらとしか覚えていません。二つのカップル…

上遠野浩平『しずるさんと底無し密室たち』  ★☆

しずるさんと底無し密室たち The Bottomless Closed-Rooms In The Limited World 上遠野 浩平 飛躍し、循環し、明瞭な結末もない。そして、それは他に喩えようもなく、なんとも――馴染み深い癖に、とても新鮮だ。 しずるさんも笑い、私も笑う。 それは世界が…

日日日『ちーちゃんは悠久の向こう』  ★★

ちーちゃんは悠久の向こう 日日日 「あのひとは私と同じ。この世界に価値なんて一ッつも見いだせないひと。可哀相なひと。夢に憧れ、幻想に溺れ、虚構の生贄となるさだめにあるひと」 やはり――意味がわからなかった。 「幻想は人間を食うわ」 自分も幽霊にな…

時雨沢恵一『リリアとトレイズ (1)』  ★★★

リリアとトレイズ (1) 時雨沢 恵一 「リリアちゃんがトレイズ君を襲わなければ平気でしょ」 「襲わないわよ!」 「たとえばそう。寝ている無防備なときとか」 「だー! なんでそんなコトしなくちゃいけないにのよ?」 トレイズは何も言わず、静かにお茶をす…

上遠野浩平『ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス』  ★☆

ロスト・メビウス―ブギーポップ・バウンディング