Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ハードボイルド

浅田次郎『プリズンホテル秋』  ★★★★☆

プリズンホテル秋 浅田 次郎 「いえ、たとえどのような罪を犯されても、お客様の人生はお客様おひとりのものでございます。尊い、かけがえのない、誰のものでもない人生でございます。出会いがしらのパトカーなどにからめとられてなるものですか」 「タキシ…

北方謙三『遠く空は晴れても』  ★★☆

遠く空は晴れても 北方 謙三 「肉体は、どんなにでかくても二メートル。心は無限だ。わかるか?」 「なんとなく」 「嘘をつけ。おまえの頭でわかるわけがない。いいか、ソルティ。肉体が傷ついても、せいぜい二メートル分だ。それ以上だと、死ぬ。心は、無限…

浅田次郎『プリズンホテル』  ★★★★

プリズンホテル 浅田 次郎 安息という言葉を口にしたとき、ぼくはそれがふしぎなくらいこのホテルにふさわしいことに気付いた。 ヤクザが経営し、懲役がえりが訪れ、へんてこな従業員が不器用に世話をし、まがいものの調度品で飾り立てられたこのホテルが、…