Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2007-08-13から1日間の記事一覧

三浦しをん『きみはポラリス』  ★★★★☆

きみはポラリス 三浦 しをん 「俺の考える本物のロハスはこうだ」 と俊明が言った。「死期を悟った時点で富士山頂に上り、ご来光とともに切腹する」 「な、なんで」 「なんででもだ。そして己れの内臓をつかみだし、『有機栽培の礎とならんことを……!』と祈…

武田龍夫『物語 北欧の歴史』 ★★★

物語 北欧の歴史―モデル国家の生成 (中公新書) 武田 龍夫 物語、と銘打たれているだけあって、なかなかドラマチックな描き方をしていた。ヘタリア効果も相まって国たちにすごい感情移入(笑)特に、ノルウェー・フィンランドが長い間一緒にいたデンマーク・…

島崎藤村『破戒』  ★★★★

破戒 (岩波文庫) 島崎 藤村 「下等人種?」 「卑しい根性を持って、いやにひがんだようなことばかり言うもの、下等人種じゃなくて君、なんだろう。へたに社会へでしゃばろうなんて、そんな思想を起こすのは、第一大間違いさ。獣皮いじりでもして、神妙に引っ…

浅田次郎『月島慕情』  ★★★★

月島慕情 浅田 次郎 みんな、一緒に食べよう。少し冷めてしまったけれど、蜥蜴や蛆虫や、戦友の肉よりもずっとうまいぞ。そして腹が一杯になったら、今夜のうちに敵陣に斬りこんで、兵隊らしく死のうじゃないか。兵隊らしく、男らしく、人間らしく。(雪鰻)…