2007-07-07から1日間の記事一覧
ミミズクと夜の王 紅玉 いづき 「なんでだろう。わかんない。たくさん嫌だーって思ったよ。痛いのやだし、苦しいの嫌だったよ。誰かが手を差し伸べてくれる夢、何度も見たあ。んでも、なんでだろ」 思えば本当に不思議でたまらない、というようにミミズクは…
千夜一夜物語〈第1〉―バートン版 (1966年) 大場 正史 「栄えある神、偉大な神、アラーのほかに主権なく、権力なし。アラーの力をかりて、女の邪心と手管をのがれよう。まことに、アラーの力におよぶものとてない。われわれよりずっと力のある魔神を、あの不…
夢十夜 他二篇 夏目 漱石 「日が出るでしょう。それから日が沈むでしょう。それからまた出るでしょう、そうしてまた沈むでしょう。――赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、――あなた、待っていられますか」 自分は黙って首肯た。女は静かな調子…
変身 フランツ カフカ, Franz Kafka, 中井 正文 「あれがグレゴールだという考え方を、まずおすてにならなくちゃいけないのよ。あたしたちが長い間そう信じてきたことが、あたしたちの不幸の原因だったんだわ。あれが、いったいどうして、グレゴールなんかで…